
介護用品の
選び方について
介護用品のレンタルを検討する際、「どれを選べばいいのかわからない」「何を基準に判断すればいいの?」と悩んでいませんか?
身体状態に合わない福祉用具を使用すると、症状を悪化させたり転倒事故につながる危険性があります。
ここでは代表的な3品目の選定ポイントをご紹介します。
選び方で迷ったら、福祉用具専門相談員がご自宅に伺いますので、お気軽にご相談ください。
介護ベッドの選び方
介護ベッドを選ぶ、
3つの基本ポイント
介護ベッドは在宅介護の要となる福祉用具です。選び方を間違えると、利用者の快適性が損なわれるだけでなく、介助者の負担も増大してしまいます。


①利用者の快適性を最優先する
- 高さ調節機能
利用者の身長や移動の容易さを考慮し、ベッドの高さを調整できる機能は必須
- 背上げ・膝上げ機能
座位やリクライニング姿勢の変更が可能で、体のずり落ち防止や血行促進にも効果
- マットレスと体圧分散
圧力を均等に分散し、床ずれ予防に配慮したマットレスを選択
②安全性を確認する
- JIS規格表示の確認
必ずJIS規格表示のあるベッドを選び、安全基準への適合を確認
- 転落防止対策
超低床タイプやベッドサイドレールなど、転落予防機能も重要
③モーター数の違いを理解する
- 1モーター
背上げのみ。基本的な機能、コストを抑えたい場合。
- 2モーター
背上げ+高さ調節。背上げに連動して膝角度が上がる。
- 3モーター
背上げ+膝上げ+高さ調節。それぞれ独立して操作可能、最も多機能。
車椅子の選び方
車椅子の基本3タイプを
理解する
車椅子は操作方法によって大きく3つのタイプに分かれます。それぞれの特徴を理解し、使用者の身体状況や生活環境に合わせて選ぶことが重要です。


①自走式車椅子
- 特徴
- 後輪の外側についたハンドリムを手で回転させて進む
- 後輪が大きく段差を乗り越えやすい
- 介助者が押すこともできる(背面にハンドグリップ付き)
- おすすめの人
- 自分で移動したいという意欲がある方
- 上半身に一定の筋力がある方
- 自宅内外で自由に行動したい方
②介助式車椅子
- 特徴
- 介助者が押して走行するタイプ
- 自走式より後輪が小さく横幅もコンパクト
- 軽量で折りたたんで運べる
- おすすめの人
- 自力での操作が難しい方
- 外出時に介助者が常に付き添う方
- コンパクトで軽量なものを求める方
③電動式車椅子
- 標準型:手もとのレバーで操作
- 簡易型:一般的な車椅子に電動ユニット付き
- ハンドル型(シニアカー):小型スクーターのような見た目
車椅子選びの4つのチェックポイント
- 座面の幅:車椅子に座った状態で、介助者の手が横に入れられる隙間(2cm程度)があること
- 座面の奥行:深く腰かけた状態で、ひざ裏とシートが5cm前後離れていること
- 座面の高さ:無理なく立ち上がれる高さ。自走する場合は後輪の中心に手が届くか確認
- アームレスト・バックシートの高さ:自然にひじを曲げられ、上半身が動きやすい高さ
歩行器の選び方
歩行器の3つの基本タイプを
理解する
歩行器は身体状態に合わせて適切なものを選ばないと、症状が悪化したり転倒事故につながる危険性があります。


①固定型歩行器(ピックアップ型)
- 特徴
- 最もスタンダードで最も安定性に優れる
- 歩行器を持ち上げて前方につき、フレームに身体を支えて進む
- 軽くて持ち上げやすく、階段の昇降も可能
- 移動速度は遅いため屋内向き
- おすすめの人
- 上半身にある程度筋力がある方
- 脚に痛みがあり筋力が弱い方
- 杖では歩行が不安定になる方
②交互型歩行器
- 特徴
- 左右のフレームをそれぞれ動かせる
- 固定型よりもバランス機能が必要
- 左右どちらかの足が常に地面に接しているため安定性が高い
- おすすめの人
- 片足に痛みのある方
- 姿勢バランスが取りにくく歩行が困難な方
③キャスターつき歩行器(歩行車)
- 特徴
- 左右のフレームの下に車輪がついて押しながら歩く
- ハンドブレーキや腰かけ、荷物入れ付きもある
- モーターや傾斜センサー付きのものも
- 折りたたみ可能で持ち運びに便利
- おすすめの人
- 足腰に痛みのある方
- 筋力の弱い方
- リハビリをはじめたばかりの方
車椅子選びの3つの重要ポイント
- 利用場所や目的を明確にする
段差がある環境、坂道の多さ、通院方法、買い物での使用など使用シーンを具体的に伝える - 身体状態にあったものを選ぶ
脚だけでなく、腕などの上半身の筋力、左右のバランスなども考慮が必要 - 体格にあったサイズや高さに調整する
グリップの位置が適切でないと症状悪化の恐れがあり、専門家による調整が重要
適切な介護用品を選ぶことで、利用者の生活の質が向上し、介助者の負担も大幅に軽減されます。
ぜひこのガイドを参考に、最適な介護用品を見つけてください。
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